空気の通り道の掃除(健康・住まいの換気 新常識!その2)

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その他の掃除については、「住まいの健康★掃除マニュアル(掃除方法)」参照ください。

*このページは「健康・住まいの換気の新常識!」の続きです。



住まいには、空気の通り道があります。

空気の通り道は、最もホコリが溜まる場所でもあります。

ホコリはハウスダストとも呼ばれ、空気中に浮遊しているものほど質量が軽く小さい汚れといえ、呼吸に伴い人体に取り込まれていくものでもあります。



「塵も積もれば山となる」ということわざがあるように、目に見えないほど小さな汚れも、堆積していくうちに目視できるようになります。

空気の通り道の汚れで目に見えるホコリ汚れは、かなり堆積した汚れとも言えるのです。

では、具体的に住まいの代表的な「空気の通り道」について確認して見ましょう。

*部屋全体のホコリ掃除については、「居室(部屋)の掃除方法:ホコリなど空気の汚れ編」を参照してください。




空気の通り道

気密化された現代の住まいでは、空気の出入りできる場所が決まっています。

つまり、「空気の通り道」があると言えるのです。

基本的には、外から室内に新鮮な空気を取り込み、汚れた空気を室外へと排出する換気に関わる場所と、室内の空気を循環利用する空調機器関連に分けることができます。

換気に関わる場所としては、機械換気を含む換気システムによる空気の入口となる給気口と出口の排気口になります。

そこに自然換気とも言える、窓や玄関扉などの開口部が加わります。

室内空気を循環利用する空調機器類は、エアコンや空気清浄機などがあります。(*一部換気機能のついたエアコンもあります)

特に、機械換気や空調機器類などは、空気の出入りする量も多く、最も汚れる場所と言えます。

そのため、機器類を保護する意味でもフィルターがついています。

機械換気や空調機器のフィルターは、室内空気の汚れを強制的に、しかも自動で集めてくれる掃除機のようなものでもあり、その汚れはそこに住む人が吸い込まなずに済んだ汚れでもあると言えます。

掃除機に溜まったゴミを捨てるように、フィルター類の掃除は衛生的な室内空気環境を保つだけでなく、室内各所の汚れ付着を減らし掃除をラクにしてくれる、とても重要なお掃除ポイントと言えるのです。



機械換気

機械換気における、第3種換気システムにおける代表的な箇所は、キッチンの換気扇(レンジフード)、風呂場の浴室換気扇、トイレの換気扇、居室の自然給気口などです。

さらに空気の通り道として、エアコン、空気清浄機、家電製品の冷却ファン部などもあります。



自然換気(住まいの開口部)

ここで紹介する住まいの自然換気とは、住まいの開口部すなわち居住者により手動で室内と外部を開閉できる設備です。

窓、玄関、勝手口などを2箇所以上開け、空気が流れるように換気を行います。





1ヶ月で、どのくらい汚れるかという例を次に紹介します。

下記画像は、室内換気扇として、居室の同時給排気換気扇に外付けフィルターを装着し、「強」で24h連続運転使用して1ヶ月の汚れの実験結果です。

汚れ方を見て、想像以上に室内の空気が汚れていたことを実感できます。




意外な場所として、家電類の内部にもホコリは侵入するのです。

特に冷却ファン等がついているとそこは空気の通り道となります。

下記画像は、パソコンが壊れたので内部を分解して見たら、冷却ファンの部分から大量のホコリが堆積していました。

これは故障の原因の一つと言えるのではないでしょうか。





掃除の方程式で考える

まずは、掃除の方程式に当てはめて考えて見ます。

詳しくは、「掃除学:基礎理論」をご覧ください。





1. どんな汚れ?

ホコリなど空気の汚れ(*詳しくは「ホコリなど空気の汚れ」を参照してください。)



2. どこに?

住まいの空気の通り道

①空気の通り道その1:機械換気のフィルター類

換気扇(レンジフード)・風呂場の浴室換気扇・トイレの換気扇・エアコン・空気清浄機・家電製品の冷却ファン部など

②空気の通り道その2:開口部など

自然給排気口(内・外側)、窓サッシ・網戸、玄関など



3. なにを使って

掃除機(ブラシノズル)、ペンキのハケ、吸着系ハタキ類、ブラシ類、タオル(雑巾)、中性洗剤(*油脂性の汚れが多い場合)



4. どのように?

次に掃除方法を紹介します。





空気の通り道の掃除方法


ポイント!

微細なホコリは、人が活動すると空気中に舞うので、窓を開けるなど換気を行いながら掃除をします。

窓が1っ箇所しかない場合や、窓を開けることができない時は、キッチンのレンジーフード(換気扇)など機械換気扇を強運転するなど、汚れた空気を素早く排出できるよう積極的に換気を行うと良いでしょう。

レンジフード(換気扇)は、住まいの中で1番換気能力の高い機械設備といえます。調理に伴う油煙だけでなく、室内に浮遊するホコリなど空気の汚れも多く排気しているのです。

レンジフードをみると、油汚れの他にホコリ汚れも多く付着していることがわかります。

第3種換気システムの場合、窓を閉めているときは自然給排気口を開けてレンジフードを動かすことで、室内に空気の流れができ換気しているので、上手に活用することは、住まい方予防でもあるのです。

*換気システムについて詳しくは「健康・住まいの換気の新常識!」を参照してください。



ホコリなどによる吸入生アレルギーや喘息を気にされるときは、機械換気や空気清浄機などのフィルターが汚れている場合、最初にフィルター掃除をお勧めします。

家中のフィルターを集めて初めに掃除を行うも良し、掃除作業全体の流れで見る場合、リビング・キッチン・洗面脱衣場・風呂場・トイレなど、各場所単位で初めに行うなど、作業しやすい手順で行うと良いでしょう。

作業中、目に見えない微細なホコリは、確実に空気中に舞い上がります。

作業を行う際は、マスクをしましょう。

また、頭にはタオルを巻く・衣類は掃除後に着替えるなど、身体への付着による再汚染を防ぐ対策を行うのも良いでしょう。

ホコリに敏感な人は花粉対策と同じように、目の粘膜を守るための保護メガネ着用も有効です。




掃除箇所のまとめ


① 空気の通り道その1:機械換気のカバー・フィルター類など

• キッチン換気扇(レンジフード)

• 浴室換気扇

• トイレ換気扇

• エアコン

• 空気清浄機

• その他

*機械換気設備の場合、日常的なお手入れは外装のホコリ除去や、フィルターの掃除がメインとなります。

分解洗浄は、怪我や故障の原因などリスクも伴いハードルが高いので、掃除のプロに依頼することをお勧めします。



② 空気の通り道その2:開口部など

• 自然給排気口

• 窓・サッシ・網戸

• 玄関など




① 空気の通り道その1:機械換気のカバー・フィルター類など

機械換気のフィルター類の掃除は、掃除機のブラシノズルやペンキのハケを併用するとラクに行えます。

取りきれない汚れや頑固な汚れの場合、水で濡らした後に中性洗剤(食器用洗剤を薄めたものでも良い)とブラシ類で洗浄すると良いでしょう。

吸入性のアレルギーを気にされる方は、掃除機よりも洗浄の方が、ホコリの舞い上がりを軽減出来ます。

洗浄後は、タオルなどで水分を拭き取り、しっかり乾燥させてから本体に取り付けましょう。

キッチンのレンジフード(換気扇)フィルターは、油汚れが主となるので掃除方法が異なります。

*詳しくは「かんたんレンジフードフィルター掃除」を参照してください。



*画像は、浴室暖房乾燥換気扇フィルター。


風呂場の空気の通り道として、扉下の換気口(付属タイプ扉、無いタイプもあります)も、ホコリ汚れが溜まりやすい場所。

ピンセットなどを使うと、ホコリ汚れが取りやすいです。



エアコンのカーバーなどのホコリ掃除の場合、吸着系のハタキ類や掃除機を活用する方が効率的で早く掃除がラクです。

さらに、換気扇などは高いところに設置されているものが多いので、その場合高所作業となります。

日常的に掃除を行なっておりホコリ汚れが少ない場合、安全性を考慮するなら踏み台や脚立に乗り作業するよりも、その場で伸縮性の吸着系のハタキ類がお勧めです。

ホコリが多く溜まっている場合は、掃除機や拭き掃除がお勧めです。



また、吸着系のハタキ類の使用は多少なりともホコリが空気中に舞いやすいので、吸入生アレルギーや喘息など吸い込むことで出る症状を気にされる方は、拭き掃除がお勧めです。

拭き掃除も、乾拭きよりはウエット拭きの方が、ホコリの吸着率は高いと言えます。(*ウエット拭きは、水で濡らしたタオルをしっかり絞り使用します。)


エアコンは室内の空気を循環活用しており、ほとんどのエアコンに換気機能はついていません。

従って、室内の空気が汚れているほどエアコンも汚れるということです。

エアコンの日常的な掃除として、フィルターやカバーを行いますが、1年に1回は掃除のプロによる内部分解洗浄をお勧めします。

内部洗浄を行う頻度は、使用頻度や環境により各家庭で決めると良いでしょう。


目安例として、フィルター自動お掃除機能付きエアコンを新設して半年(6ヶ月)間使用した後、内部洗浄をしたところ洗浄後の水は黒く汚れていました。

これは、フィルター自動お掃除機能がついていても、確実に内部は汚れていくという実験結果でもありました。






② 空気の通り道その2:開口部など

自然給排気口(内・外側)、窓サッシ・網戸、玄関など



自然給排気口(内・外側)の掃除

住まいの自然給排気口には、いろいろな形のものがあります。

ほとんどのものは壁面についており、開閉することで給気調整できます。

フィルターがついているものもあり、分解の仕方も機種によりそれぞれ違いがあります。

室内側だけでなく外壁側も汚れるので、掃除の際は内・外側の両方行います。

掃除機を活用する場合は、ブラシノズルが便利です。

ない場合は、ペンキ用ハケと併用するのも◎

汚れの多い場合やハウスダスト等のアレルギーを気にされる場合、ホコリが舞い上がるのを軽減するには、水で濡らし硬く絞った雑巾(マイクロファイバー)で優しく拭き掃除、または分解洗浄がお勧めです。




窓・サッシ・網戸

手順としては、網戸→サッシ→窓の順で掃除を行います。

外部からの汚れ侵入を防ぐフィルターの役割を果たす網戸は、住まいの換気にとって重要なポイントと言えます。

ここでは、網戸掃除について解説します。



網戸掃除

網戸に付着しているホコリ等の汚れが乾いているうちに、洗車ブラシやペンキ用ハケ等ブラシ類を使い、上から下へ汚れを払い落としていきます。

力は入れず、網がへこむ事がないよう優しく払い落とす事がポイントです。

この方法は、外側にバルコニーなど足場が有る場合に有効です。

この作業をしっかり行うと、網部の汚れはほとんど落ちていると思います。

内側から行う場合は、掃除機のブラシノズルで上から下へ吸取っていきます。

状況に応じて、水で濡らし固く絞ったマイクロファイバータオルで優しく拭き上げるか、洗剤洗浄をするか選択します。

*詳しくは「窓・サッシ・網戸の掃除」を参照してください。




バルコニー

*詳しくは「バルコニー掃除」を参照してください。




玄関・ポーチ

*詳しくは「玄関(エントランス)の掃除」を参照してください。




換気予防

住まいの換気を知り、空気の通り道を綺麗にすることで、室内の空気環境は今までよりも衛生的で良好な状態を保つことができます。

自分の家の空気環境を考え改善していくことは、健康にとって大切なことです。


住まいの予防として、空気の通り道のこまめな掃除。

また、機械換気に使い捨ての外付けフィルターを装着し、汚れたら取り替えるなどすると、掃除も楽になります。


住まい方の健康予防として、人が多く集まる時・子供やペットが活動的に遊んでいる時など、積極的に換気を行うこと。

住まいの機械換気で1番換気量の大きいのはキッチンのレンジフード(換気扇)なので、調理以外でも状況に応じて強運転するなど、住まいの機械換気も有効利用することをお勧めします。



皆さんは、住まいの換気を理解し活用できていますか?

それは、これからの新常識と言えるでしょう。


植木照夫の掃除学研究所

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