どこに? どんな汚れ?
どんな汚れ?:部位の代表的な汚れ
全体的には、調理に伴う油煙による油汚れやホコリ汚れ+食材屑等その他の混合。
特にレンジフード(換気扇)やコンロ周りは汚れがたまりやすく、空気中の酸素やその他の物質とともに経時変化して、頑固な汚れになっていく傾向にあります。
また、水廻りとなるシンク(流し台)があることで、水垢汚れや微生物汚染の対象にもなり、住まいの中でも様々な汚れが混在する場所がキッチンと言えます。
- 全体的:油煙等による油&ホコリ汚れの混合(軽度〜中度)
- 水廻り:水あか(スケール)や微生物の汚れ等(軽度〜重度)
- 局所的:レンジフードやコンロ周りなどは油汚れ大、焦付汚れ(重度)
*ホコリ汚れについて詳しくは「ホコリなど空気の汚れ」を参照してください。
*油汚れについて詳しくは「日常生活に伴うその他の汚れ(油・油脂性の汚れ)」を参照してください。
*水アカ(スケール)汚れについて詳しくは「水廻りの水アカ汚れ」を参照してください。
*カビ・排水口のヌメリ(バクテリア)などの汚れについて詳しくは「微生物や衛生害虫の汚れ」を参照してください。
どこに?:キッチンの部位
キッチンの掃除をする部位で分けてみると、上から・・・吊り戸棚(上部収納)・照明、レンジフード(換気扇)、壁面、コンロ・グリル、カウンター、シンク(水廻り)、キャビネット(下部収納)、床、となります。
部位の素材や機種については各家庭で違いもあり、それぞれに対応して掃除方法も変化します。
- 高所作業:吊り戸棚やレンジフードは目線より高い位置となり、高所作業として踏み台や脚立などを使用します。
- 汚れと壁面:同じ壁面であっても、コンロ周りと水廻りとでは付着している汚れが異なる傾向にあるので、対応した掃除が求められます。
ポイント
- 掃除の基本は上から下へ
- 重度の汚れ掃除から軽度の汚れ掃除へ
- レンジフードやコンロや魚焼きグリル等の部品は、外せる物は外して浸け置き洗浄!
- シンク(流し)は最後に仕上げると効率的(用具洗う等最後まで使用するため)
なにを使って?
除去力(準備する掃除用具と洗剤)
食器用中性洗剤、メラミンスポンジ、焦げ取りスポンジ、マイクロファイバータオル、ブラシ類、プラスチック製ヘラ類(少し固めのプラスチックカードや定規でも可)、ゴム手袋、キッチンペーパー、チャック付袋(写真は衣類圧縮袋)、他。
*高所作業補助用具として踏み台や脚立など
キッチン掃除(どのように?:作業方法)
1 はじめに整理整頓(準備)
換気を良くして整理整頓。
収納の中を行う時は、一緒に拭き掃除を行うと効率的です。
掃除の事を考えると、収納棚にバラバラで物を置くよりも、すぐに出し入れ出来るかご等に入れておくと、整理整頓も掃除もラクになります。
2 掃除ポイント
掃除の基本は上から下へ、重度から軽度の汚れ掃除、外せるものは外して掃除、シンクは最後に仕上げると効率的。
汚れの頻度別掃除箇所と作業(赤:重度汚れ、橙:中度汚れ、青:軽度汚れ)
*水栓類・シンクに堆積した水アカ汚れは、重度の汚れとなります。
作業の基本
濡らし後固く絞ったマイクロファイバーで拭く。
落ちが悪い場合は、水で濡らしタレない程度に絞ったメラミンスポンジで優しく擦り、濡らした後固く絞ったマイクロファイバーで拭く。
中度の油汚れには食器用中性洗剤を併用。
重度な汚れは擦る・浸ける・削る。
*汚れの頻度や素材に合せて、用具や洗剤など弱い除去力から試し、落ちなければ徐々に強い除去力へ。
3 「キッチン」掃除手順
汚れの頻度別編
汚れの頻度で作業手順を考える際、重度→中度→軽度汚れの順で行うと効率が良い。
重度の汚れは、洗剤の浸け置きや擦り作業が伴い、浸け置き時間や汚れの飛散などを考えると、最初に行う方が効率的と言えます。
そこに掃除の基本動作や場所・素材などを考慮して、全体の作業手順を決めていきます。
油+ホコリ+他の混合汚れ
浸け置き洗浄(重度の汚れ)
レンジフード、ガスレンジゴトク類、魚焼きグリル部品等、カンタンに外せる部品は外して、厚手のビニール袋(チャック付き便利)40度前後のぬるま湯と食器用中性洗剤と一緒に浸け置き洗浄(*裏技にて)。
裏技!
① 表面油を素材に傷がつかないように、へら等で削り取りキッチンペーパーに
② 温めた洗剤を均等に塗る(食器用中性洗剤をぬるま湯で薄めてスプレーボトル)
③ 表面が柔らかくなった油汚れを、ヘラなどで削り取りキッチンペーパーに
④ ある程度取れたら、ビニール袋にフィルター+ぬるま湯で浸け置き15分〜
⑤ 時間を置いて、油汚れのこびりつきが和らいだら、凹凸部はブラシ類で平面部はメラミンスポンジやマイクロファイバータオルなどで擦り、拭取る。
洗剤と用具を上手に使い、力を使わずラクに掃除!
*詳しくは「かんたんレンジフードフィルター掃除」にて
浸け置きしている間に・・・
重度の油・コゲ汚れ
レンジフードやガスレンジ・グリルの本体で、平面(平滑)に付着する重度の油やコゲ汚れは、洗剤で分解してからメラミンスポンジで優しく擦り、水で濡らし固く絞ったマイクロファイバータオルで拭き上げます。
溝や凹凸部は、ブラシ類を活用します。
かさ高汚れにはプラスチック製のヘラやカードを活用します。
基本的に洗剤は、用具に付けて汚れに塗るようにすると、洗剤飛散等によるトラブルは軽減出来ます。
それでも落ちないコゲ汚れ等の場合は、焦げ取りスポンジで優しく擦ります。
ゴトクの汚れが頑固な場合は、浸け置き洗浄してから擦り作業をすると効率的です。
かさ高汚れ(油や焦げ汚れが重なり頑固に付いている)
取れない頑固なかさ高汚れは、素材が傷つかないようにプラスチック製のヘラやカード類で削り、・スポンジ(弱)→・メラミンスポンジ(中)→・焦げ取りスポンジ(強)で擦る。
この作業を繰返し汚れが落ちたら、洗剤成分を残さないように、水拭きしてすすぎ作業します。
軽度〜中度の油汚れ
平面(平滑)に付着する軽度〜中度の油汚れは、濡らし後固く絞ったマイクロファイバーで拭きます。
落ちが悪い場合は、水で濡らしタレない程度に絞ったメラミンスポンジで優しく擦り、濡らし後固く絞ったマイクロファイバーで拭きます。
中度〜の油汚れには、中性洗剤(食器用中性洗剤をぬるま湯で薄めてスプレーボトル)を併用します。
洗剤を使用したときは、洗剤成分を残さないよう水で濡らし固く絞ったタオル類での拭き上げ(すすぎ作業)が大切です。
洗剤成分が残っていると、ベタついて汚れが再付着しやすくなる他、成分によっては素材に変化をもたらす事もあるので、しっかりすすぎ作業をしましょう。
シンク(流し)水栓周り
シンク・水栓廻りは、水道水に含まれる成分が乾燥して固着した「水アカ(スケール汚れ)」や「微生物汚染(バクテリア・カビ等)」、油汚れ以外の汚れも付着しています。
これらの汚れは頑固になりがちで、時間の経過とともに堆積および増殖など除去が困難になります。
軽度の場合、メラミンスポンジやマイクロファイバータオルでも落ちますが、頑固に固着した場合、焦げとりスポンジや研磨剤入りのクレンザー等を使い擦り(研磨)作業となりますが、素材を傷つけやすいので力加減に注意が必要です。
*「プロ技:水垢汚れの場合は、酸性洗剤(効果弱いけどクエン酸やお酢も可)とキッチンペーパーで浸け置き湿布により洗剤がスケール汚れを分解していき、表面が柔らかくなったらメラミンスポンジで優しく擦ります。」
バクテリアやカビなどの微生物汚染の場合は、殺菌効果もある塩素系洗剤(漂白剤など)で浸け置き湿布します。
この時、塩素系洗剤と酸性洗剤(クエン酸やお酢なども)を同時に使うのは、有毒の塩素ガスが発生するのでとても危険です。
作業は別の日に分けて行いましょう。
シンクの仕上げは、掃除に使用した用具を洗うため最後に行うのが効率的です。
*水アカ汚れについて詳しくは、「水アカ汚れ」を参照してください。
*バクテリア汚れについて詳しくは、「バクテリア汚れ」を参照してください。
裏技:水アカ(スケール)汚れの浸け置き湿布
裏技:カビ取り湿布:局部的なカビ類除去
局部的なカビ汚れの場合、カビ取り湿布で掃除します。
掃除対象となる箇所に水をかけて湿らせ、ブラシ類で汚れの上を軽く擦った後、ティッシュ(キッチンペーパー)を4つ折りして大きさを適度に整え汚れの上にのせ、塩素系漂白剤を塗布して15分程度放置します。
カビが落ちたら水でよく洗い流します。この方法は、風呂場やトイレ等水回り全般で使用出来ます。
*塩素系漂白剤は、使用に伴い危険な事もあるので、商品の使用上の注意に従ってお使い下さい。
*カビ汚れについて詳しくは、「微生物や衛生害虫の発生による汚れ」を参照してください。
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