「健康住宅・掃除がラクな家の実験棟」 〜狭小住宅ローコスト編〜



はじめに・・・

長年の実務経験から、住まいには掃除がラクな家と大変な家があります。


掃除を楽にするためには「掃除がラクになる法則」を取り入れることが大切である。

そして、掃除は健康予防対策行為であり、住まいやモノを長く使い続けていく(サスティナブル)ためのメンテナンス行為でもあるのです。

掃除をしやすい家を「ハード」とするならば、その家の住まい方「ソフト」も大切であり、ハードとソフトの両方で掃除のことを考えてラクにしていくことが「健康住宅・掃除がラクな家」のコンセプトであり、使い・住み続けていく中で重要と言えるのです。

2013年、自宅として「健康住宅・掃除がラクな家」の実験棟を建て、実生活の中で本当に掃除がラクになったのか・・・? を検証することにしました。

健康面では最重要対策として吸入性アレルギー対策「ホコリなど空気の汚れ」とし、都心部での暮らしと、人が体内に取り込む80%の呼吸に関わる汚れとしました。

その理由の一つですが、同居する家族には「ハウスダスト(ホコリ)他・吸入性アレルギー」や「喘息」を持つ者もいるので、「換気と室内空気の質」対策を特に重視しました。

*執筆現在2022年、実生活検証中です。



「健康住宅・掃除がラクな家」では、新築・リフォームなどでできる対策と、今住んでいる家でもできる対策があるので、各家庭で取り入れることのできる方法を実践していただければと思います。

「建築編」で、ハードとなる住まいの新築・リフォーム・今住んでいる家でもできる対策。

「検証編」で、住まい方と対策の検証を紹介できればと思っています。

*自分のアイデアや建材メーカーがアピールしていた掃除のしやすいものが、本当にそうなのか? など・・・

掃除のプロが実生活の中で、時間(約10年で進行中)をかけて検証しているのは見どころと言えます。



建築条件

基本的な内容は www.cp-u.net で連載していた「健康住宅・掃除がラクな家の構想庵 2007」や「構想案 2008・2009」、日経ホームビルダーにて行っていた連載「掃除がラクな家の作り方(2008年10月号〜2010年11月号」などを元としているが、予算や敷地などの建築条件「狭小住宅・ローコストの問題」に対応するため、新たに考えた対策や様々なアイデアで解決していきます。

とくに、狭小住宅で掃除をラクにするのは大変で、居住スペースをできる限り多く確保しながら、掃除をラクにするために収納スペースも確保しなければならないと言う問題が、設計において大変苦労しました。

また、ローコストと言う事で住宅設備や建材選びも大変で、何に力を注ぐかがポイントになりました。





掃除がラクな家の構想と設計

掃除のしやすさを考える時、どんな汚れを掃除するのか?、どこが汚れやすいのかなど、現場経験をもとに「掃除の方程式」で考察していく。



どんな汚れ?

健康で快適な室内環境を考える場合、人体に害を与えるような異物(汚れ)として、吸入性アレルギーのアレルゲンを重要視し、シックハウスについても併せて予防対策をしていく。

このことを踏まえて、数ある住まいの汚れの中から、「人体への危険度」と「住居の汚染範囲」などを考慮して大きく3つに分けて特定した。


1. ほこりなど空気の汚れ

(ハウスダスト:カビの胞子や花粉、炭素粒子、タバコ煙、ペットの毛なども含む)


2. 微生物や衛生害虫の発生による汚れ

(カビ、ダニ、ゴキブリ、その他)


3. 日常生活に伴うその他の汚れ

(水性汚れ・油汚れ・水アカなど、日常生活にともなって発生する様々な汚れ)



どこに?

【室内】

居室、キッチン、バスルーム、洗面所、トイレ、窓サッシ・網戸、玄関、その他

【室外】

屋根、外壁、その他




汚れと場所を特定し「掃除がラクになる法則」を取り入れて対策していきます。

その際に、「なにを使って?」・「どのように?」作業をするのかを考えると、掃除動線や居住後の作業イメージが浮かんできます。


大切なことは、掃除のことも考え予防対策することで、今までよりも掃除をラクにするということなのです。



*** 健康住宅・掃除がラクな家 ***

この企画は、掃除がラクな家の実験棟に関することをメインに、その他のことでも掃除が大変かラクについて幅広く発信できればと考えています。


記事のアップは不定期で、の〜んびりやっていこうと思ってます。

植木照夫の掃除学研究所

掃除学研究所は、植木照夫により発案された、掃除理論の集約的公式「掃除の方程式(うえきの方程式)」と「掃除がラクになる法則(うえきの法則)」を基に、幅広く関連知識をまとめた新しい学問の研究サイトです。