どこに? どんな汚れ?
どこに?:トイレの部位
照明、換気扇、天井・壁面、、扉、ペーパーホルダー等壁面付属品、タンク、フタ・便座、洗浄ノズル、便器、床
どんな汚れ?:部位別の汚れ
ホコリ類、手垢、水アカ、尿はね、水性汚れ、微生物汚れ、尿石(にょうせき)、その他
トイレの代表的な汚れ
軽度〜中度の汚れ
ホコリ汚れ
トイレは、住まいの中でホコリ汚れが多く発生する場所の1つです。
狭い空間の中で、衣類を脱ぎ着る動作による繊維の摩耗塵やトイレットペーパーから出るチリ、トイレ換気扇に引かれて入る他の部屋からのホコリ汚れ等、ホコリ汚れの溜まりやすい場所です。
人からの汚れ
衣類を脱いで座り着て水栓レバーで流す等、人の行動に伴い発生する汚れ。
便座やレバーやペーパーホルダー等、人が触れる場所には手垢・皮脂等の汚れ、衣類の脱ぎ着などによる床や便器等への体毛の付着、便座の裏や男性の場合床への「おそそ」等による尿はね等の汚れがあります。
中度〜重度の汚れ
水回りの汚れ
水回りの代表的な水アカ(スケール)汚れ。
キッチンや風呂場や洗面台と同じ、水を使う場所でもある水廻りでは共通の汚れでもあります。
トイレの場合、便器やタンクに水栓が付いているタイプ・手洗器等で発生します。
付いてすぐはカンタンに落ちますが、堆積し溜まっていくと、経時変化によりとても頑固な汚れになっていきます。
便器には、尿石汚れが付着することもあります。
*ホコリ汚れについて詳しくは「ホコリなど空気の汚れ」を参照してください。
*尿石(にょうせき:尿路結石の略)汚れは、尿に溶けているカルシウムイオンが濃縮および炭酸などと反応、カルシウム化合物として便器および配管の内部に付着・沈積したもので、汚れの性質としてはスケール(水アカ)汚れと似ています。
*水アカ(スケール)汚れについて詳しくは「水アカ汚れ」を参照してください。
*カビ・バクテリアなどの汚れについて詳しくは「微生物や衛生害虫の汚れ」を参照してください。
ポイント
- 掃除の基本は上から下へ
- 水廻りは汚れをためると頑固になる!頑固な汚れは擦りや削りや洗浄剤の浸け置き作業。
- 擦りや研磨(削り)作業は、用具選択重要・素材傷つけ注意!
なにを使って?:除去力
(準備する掃除用具と洗剤)
基本用具
メラミンスポンジ、マイクロファイバータオル、ブラシ類(画像はツインブラシ)、焦げ取りスポンジ、ゴム手袋(洗剤使用時装着)、プラスチック製ケレン(ヘラ)、他
その他の用具・補助用具
トイレ室内高所などに、伸縮式吸着ハタキ、掃除機(画像はハンディータイプのブラシノズル付き)、ペンキのハケ(掃除機のブラシノズルがない場合、掃除機と併用すると便利)、踏み台(高所作業に使用、踏み外し転落注意)。
洗剤・洗浄剤
基本は、洗剤を使わない又は食器用中性洗剤を使用します(水で薄めてスプレーボトルに入れて使用すると便利)。
除菌・殺菌などを行う場合は、市販の除菌シートや消毒用エタノールなどを、活用してください。
カビ・水アカ・尿石等は特殊な洗剤や洗浄剤を使用する場合もあります(右画像は漂白剤(カビ取り剤)・研磨剤入り洗剤・トイレ用酸性洗浄剤)。
*まぜるな危険! 漂白剤と酸性洗浄剤の併用は有毒ガスが出るので危険! どちらも使用説明に従ってください。
トイレ掃除(どのように?:作業方法)
掃除する場所の高さで、作業もかわります。
作業箇所を3つに分けてみました。
目線より高い場所「室内上部」の掃除は高所の作業となります。
目線より下で、壁面や付属品や便器類など「室内下部」。
そして床面となります。
掃除の基本は上から下なので、作業の順番は「室内上部」→「室内下部」→「床面」となります。
1. 室内上部
場所:換気扇・照明・天井・壁面・他
汚れ:ホコリ類・他
作業法
掃除の基本は「上から下へ」換気扇や照明器具及び天井・壁面等、トイレ空間の上から掃除していきます。
空間上部の簡単な掃除方法としては、伸縮式の吸着ハタキで床に立ったままホコリを吸着させて除去するか、掃除機のブラシノズルでホコリを吸取ります。
または、水で濡らし固く絞ったマイクロファイバータオルで、優しく拭き上げます。
しっかり掃除をする場合、カバーが取外せるなら外して、ブラシ類等で水洗いします。
2. 室内下部
場所:壁面・付属品・戸・フタ・便座・便器など・他
作業順
衛生性を考慮すると、次の順番で作業すると良いでしょう。
①壁面(*尿ハネが懸念される場合は腰の高さより上)・付属品(ペーパーホルダーなど)・扉
②手洗器・タンク → *尿ハネ懸念時は壁面腰より下
③フタ → 便座 → 便器
作業法
汚れ:ホコリ類、手あか皮脂類・尿はね・他
平面部では、水で濡らし固く絞ったマイクロファイバータオルで、優しく拭き上げます。
汚れが落ちない場合は、水で濡らしタレない程度に絞ったメラミンスポンジで、優しく擦り洗いします。凹凸面等は、ブラシ類を活用します。
便座は、表より裏面の方が尿ハネなどで汚れやすいです。
特にO型便座の場合、前方向裏面が汚れやすく、内側(表と裏の合目)などにも汚れが溜まりやすいので確認してみましょう。
汚れ:水あか(スケール)汚れ・尿石・他
水廻り部の頑固(重度)な水アカ(スケール)汚れは、水で濡らしタレない程度絞ったメラミンスポンジで優しく擦ります。
便器のフチ裏や凹凸面はブラシ類を併用します。
油脂性の汚れ等が落ちない場合は、食器用中性洗剤(ぬるま湯で薄めたものをスプレーボトルに入れて使用)を活用します。
かさ高の汚れがある場合は、プラスチック製ケレンを使用し、かさ高部を削り取った後、メラミンスポンジ又は拭き掃除します。
便器の中以外は、その後マイクロファイバータオルやタオル(雑巾)で拭き上げます。
便器に付着する、メラミンスポンジだけでは落ちない頑固なスケールや尿石等の重度の汚れは、研磨剤入り洗剤を活用するのもよいでしょう。
それでも落ちない頑固な堆積汚れは、トイレ用酸性洗剤を塗布してしばらく浸け置きし(洗浄剤反応時間)、汚れ表面が柔らかくなったところで、プラスチック製ケレンで削り取ったり、メラミンスポンジでこすります。
しかし、シャワートイレに付属する洗浄ノズルは、頑固な汚れが堆積しやすい部分ではありますが、素材は柔らかい樹脂製で稼働部分など壊れやすい箇所でもあるので注意が必要です。
ノズル部の固定機能がある機種の場合、ノズルを伸ばし固定状態にして掃除を行います。
頑固な水垢や尿石などが付着した場合、無理せずにブラシ類やメラミンスポンジで優しく擦る程度の作業に止める方が、故障のリスクを低減できます。
水栓金具類に付着した、メラミンスポンジで除去できない頑固な水アカ汚れは、素材に傷がつかないよう注意しながら「焦げ取りスポンジ」で優しく擦ります。
その際、若干の油脂性汚れの分解と擦り作業の滑りを良くする効果を期待して、食器用中性洗剤(薄めたものをスプレーボトルに入れて使用)を活用するのも良いでしょう。(*目立たない箇所でテストしてから全体作業を行う事)
汚れはためないようにしましょう。
3. 床部
場所:床・巾木(ハバキ)・他
汚れ:ホコリ類・衣類やトイレットペーパーの磨耗塵・体毛や皮脂・水や尿ハネなど水性汚れ・他
作業方
掃除機がけの後、マイクロファイバータオル(雑巾タオル類)などで水拭きします。水拭きだけでもよいのですが、乾燥したホコリ汚れなどが多い時は、掃除機を使うと便利です。
巾木は凹凸があるので、掃除機のブラシノズルまたは、ペンキ用のハケなどを併用すると便利です。
★局部的なカビ類除去
便器や手洗い器の局所的なカビ汚れ除去の方法として、風呂・キッチン・洗面台と同じで、掃除対象となる箇所に水をかけて湿らせ、ブラシ類で汚れの上を軽く擦った後、ティッシュを4つ折りして大きさを適度に整え汚れの上にのせ、塩素系漂白剤を塗布して15分程度放置します。カビが落ちたら水でよく洗い流します。
*塩素系漂白剤は、使用に伴い危険な事もあるので、商品の使用上の注意に従ってお使い下さい。
トイレ掃除でお勧めできない作業方
*尿石など硬い汚れをどうしても除去したい時、お勧めはしませんが紙ヤスリ#240〜程度(スポンジヤスリ)を使用する方もいます。
昔の掃除のプロは紙ヤスリを使う人もいました。
注意!:紙ヤスリ(強い物理的除去力)お勧めしない理由
紙ヤスリ(強い物理的除去力)の使用をお勧めしない理由は、使用後に「汚れが付着しやすくなるから」といえます。
便器は、陶器素材自体硬く耐薬品性もあるほうなので、物理的にも化学的にも強い除去力を使用することも可能です。
しかし便器は、汚れが付着しにくいようにするための工夫として表面の凹凸を極力無くしツルツルにしています(商品にもよりますがナノレベルまで)。
紙ヤスリ(強い物理的除去力)を使用するということは、表面に傷がつく可能性が非常に高く、傷がつくとそれは凹凸となり、その後汚れは付着しやすくなるといえます。
また、強い化学的除去力となる洗浄剤は、取り扱いが難しく危険が伴うこともあるので、使用するなら食器用またはトイレ用中性洗剤とメラミンスポンジなど、弱〜中程度の物理・化学的除去力を組み合わせて掃除をすることをお勧めします。
それでも落ちない汚れは、掃除のプロに依頼される方が無難でしょう。
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