第2編4章:「掃除と経済・その3(ビジネスモデルケース:もしも三井不動産グループとコラボしたら)」 掃除学関連知識

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もしも三井不動産グループとコラボしたら


掃除学もしも企業コラボ企画

もし、植木照夫が掃除学を活用して企業とコラボレーションしたら・・・と題して、掃除がラクな家について記す。



*動画でご覧になりたい方はこちら↓(一部内容が異なります)




掃除学の企業コラボ例:三井グループ

掃除学の企業コラボ例として、今回の戦略テーマは、「家事としての掃除をラクにする」ことに加え、「ペットと暮らす掃除がラクな家」とする。


ペットと掃除のパイオニアでもある、クリーンプロデューサー植木照夫がコンサルティングする「ペットと暮らす掃除がラクな家の市場戦略案」を、日本を代表する企業「三井不動産グループ」とコラボレーションしたと仮定して、具体的な例を紹介する。


なぜ、三井不動産グループなのかと言いうと、2013年に、三井不動産レジデンシャル社の市場開拓部商品企画グループや品質企画部の担当者と、掃除がラクな家についてディスカッションした経緯もあり、コラボ例のモデルに選出した。


掃除学をビジネスモデルに取り入れる際、新規市場を創出するならば、「予防の知識」を応用することが、多くの可能性を秘めている。

そして、今回の企画は住まいが対象だ。


掃除予防には、住まいの改善と住まい方の改善が必要で、どちらかの1部を改善しても効果は薄いと言える。

したがって、住まいの改善をハードとし、住まい方の改善ソフトとするならば、ハードとソフトを同時にパッケージ化しなければならず、会社の中で両方を統括し、戦略および管理する専門部署が必要になるというわけだ。

つまり、この統括部署があることが前提となり、最も重要と言える。


三井不動産で「健康住宅・掃除がラクな家プロジェクト」を進めるとするならば、総合統括担当は2017年に新設された「すまいとくらしの連携本部」が適している。


三井不動産グループ住宅事業戦略の立案およびグループ住宅事業連携に関する業務を統括するための組織として「すまいとくらしの連携本部」が新設されたからである。


住まいの掃除をラクにするためには、住まいの改善と住まい方の改善が必要であり、このハードとソフトの融合を行うのに、同じ目的で新設された部署でもあるからだ。

この部署の存在を知り、三井不動産グループをコラボ例のモデルとした1番の理由だ。


三井不動産と掃除学

ペットと暮らす掃除がラクな家を建てる。


おそらく、「掃除学」のような新しい学問を取り入れた建物や街づくりの視点で市場開拓を進めるならば、その会社のやり方があると思うし、専門的なコンサルタント業務に関する内容とは、違いがあるかもしれない。

しかし、ここでは、もしも企画ということで、掃除をラクにする専門家の視点から、私個人の自由な発想で話を進めていく。

また、今回はリフォームではなく新築物件とし、戸建かマンションのどちらかを選択するとした場合、マンションを選ぶと仮定して話を進める。




ペットと暮らす掃除がラクなマンションプロジェクト

新築物件を前提に、ペットと暮らす・掃除がラクなマンションプロジェクトのビジネスモデルとして、実行計画の前の、企画・戦略マップまでについて考えていくことにする。

*新築のマンション建築を行う場合、三井不動産レジデンシャル株式会社を起点に戦略を構築していくことにしてみる。



戦略マップ

ペットと暮らす・掃除がラクなマンションプロジェクトを進めるにあたり、三井不動産レジデンシャル内の部署としては、まず、市場開発部商品企画グループにより、全体的な戦略マップを描き、そこを起点に、各部署や、グループ企業の関連部署との連携を図り、プロジェクトをプレゼン及び進行の工程を作成してみるのも良いだろう。


実際には、三井不動産に新設された「すまいとくらしの連携本部」が統括となり、レジデンシャル社内のどの部署が担当するかは不明なので、その辺の細かいところは、あくまでも仮定ということで話を進める。

*黒い部分は、植木照夫によるアドバイス項目であり、本章にて順次解説していく。



戦略概要項目

他社物件との差別化となる、二大要素の一つは、家事としてまたは健康としての掃除がラクということだ。

これは、ペットを飼っていない人に対しても大きなメリトである。


もう一つは、ペットと暮らすうえで特有の掃除や臭いの問題にも対応した物件であるということだ。

これには、共用部・専有部ともに、住まいの対策と住まい方の対策があり、住まいの対策は品質管理、つまりクオリティーマネージメントである。

そして、住まい方の対策は、運営管理、ライフサイクルマネジメントにて行っていく。

これらは長期にわたり連携することで、PDCAサイクルを構築し、商品パッケージの品質向上及び進化させていくものでもある。



自社物件の現状調査と課題

三井不動産レジデンシャルとしてプロジェクトを進めるには、自社の物件状況に対するマーケティングを行うことが必要といえる。


現行の管理物件における、ペットの飼育状況については、管理している側も意外に把握しきれていないものだ。

正確な数の把握ができるほど、プロジェクトの仮基準の精度が上がる。

さらに、表面化されにくいですが、ペット飼育に関する問題なども把握できると、課題の数値化につながる。


この辺は、プロジェクトの完成及び運営後により明確なデータが取得できるものなので、ここではできる限りの結果で良いと思う。

なぜなら、プロジェクト自体が市場開拓でもあるので、居住者含むマーケット自体がまだ未知なるものでもあるからである。


ここで行うのは、現状調査→課題→改善対策→評価分析方法→仮標準の設定。改善策については、私のアドバイスを交えて考察し、評価分析方法と仮基準を決める。

これらは、品質管理と同時に考察していく。



住まいの対策:建物の品質管理

住まいの対策として、設計及び施工方法など建物の品質管理が、ブランド価値として重要となる。


「品質マネジメントシステム(QMS)」とは、組織が客の要求事項を満たし、顧客満足を向上させるため、組織としての方針やルールを定め、計画し(Plan)、それを実行し(Do)、監視・測定し(Check)、継続的に「改善」(Action)を実行していく仕組みだ。

これを、プラン・デゥー・チェック・アクションの頭文字をとって、PDCAサイクルと言いう。


レジデンシャル社の場合、クオリティーマネジメントは、設計・施工における独自の品質マネジメントシステム「TQPM(Total Quality Project Management)」があり、この「TQPM」は、設計段階における「設計ゲート管理」と施工段階における「KQI検査業務」の「2本の柱」からできている。


これらの業務を統括しているのは、品質企画部であるため、建物のパッケージ化における品質基準は、この部署と決めていくことになるだろう。



品質管理項目

「TQPM」の「設計ゲート管理」と「KQI検査業務」に、ペットと暮らす上での掃除や臭いの対策を組み込んでいく。

これらの品質管理項目は、私独自の現場経験に基づく事例や健康住宅・掃除がラクな家の実験棟データと掃除学の理論を駆使して、どの程度まで対策を行うかを、コストや技術的要素を含め、レジデンシャル社と協議のうえ、パッケージ化していく。

*対策内容の詳細はブラックボックスとして、ここでの紹介は控える。


PDCAサイクルについては、運営管理における新規提案項目を取り入れて、品質管理に反映させていく。



建物のライフサイクルコストダウン

さらに、掃除メンテナンスをラクにする対策として、ペット対策のほかに、建物のライフサイクルコストを削減するシステムの提案もある。


例えば、大規模修繕のコストを約30%ダウンする可能性がある対策等も取り入れていく。

まさになるほど、と言える内容ではあるが、それもブラックボックスということで、ここでの紹介は控えておこう。



住まい方の対策:建物の運営管理


ペットと暮らすライフサイクル

建物の品質管理をハードとするなら、運営管理はソフトの充実を図ることと言える。


居住者の、多岐にわたる趣向やライフスタイルの違いに対応するには、三井グループの機能(サービス)を横断的に活用していくことが求められる。

ペットと暮らすというテーマをもとに、ライフサイクルマネジメントとして必要な項目を考察してみる。



ペットと掃除

様々な商品には、使用方法があるように、ペットと暮らす掃除がラクな家にも、住まい方がある。


私のまとめた、掃除学やペットと暮らすお掃除マニュアル大百科をもとに、掃除がラクになるように設計・施工の段階から対策を取り入れた家でもある。

その家の機能を十分に発揮してもらうためにも、居住者に理解してもらうことが大切である。



掃除に関する情報発信と情報収集

掃除がラクなマンションは、住まい方の情報発信と、住まいごごちの情報収集が、運営管理及び品質向上のためのPDCAサイクルに、とても重要な役割を果たす。


掃除に関する情報は、居住者、管理組合、清掃メンテナンス業者への発信と収集に分類できる。

情報発信は、建物の特性を理解してもらい使用してもらうことで効果を発揮し、情報収集は、使用感や問題点などを把握することで、改善対策を生み出すことができるのである。



戦略的清掃業務とPDCAサイクル

他の物件とは違い、掃除がラクなマンションでは、清掃業務はプロジェクトにおける重要な戦略的部門でもある。


清掃業者については、共用部における日常清掃と定期清掃部門に分類し、専有部については在宅ハウスクリーニングと退去時の空室クリーニング部門に分類し、それぞれの業者に向けた建物の特性や点検項目などの情報発信および勉強会などをあらかじめ行っておき、深く理解してもらう。

さらに作業後の情報収集を行い、収集結果をまとめてデータ化していく。


実作業は、三井不動産レジデンシャルサービスが窓口となり行うと思うが、収集データは三井不動産「すまいとくらしの連携本部」が統括となり、三井不動産レジデンシャルの「品質企画部」や関連部署との情報共有の中で、PDCAサイクルに反映させていく。


清掃は、日常的な点検行為でもあり、他のメンテナンス業者に比べて居住者との接点も近く、清掃業者の革新と強化は、今後の維持管理における最大のメリットにもなりうるのである。


具体的な項目やメリットについてもっと話したいが、次に進みたいと思う。



三井のすまい LOOP

居住者と管理組合などについては、掃除以外のもっと広域なサポートサービスを含む、コミュニティーの構築が求められる。


三井不動産住宅関連の居住者及び会員には、居住後のサービスを提供しているインターネットサイト、「三井のすまいLOOP」がある。

発信方法としてはサイトの他に、LINE@、メールマガジン、自社冊子のLOOP LIFE 、などがある。


内容は、家事代行、ハウスクリーニング、すまいメンテナンス、インテリア、リフォーム、三井不動産グループ優待、などがある。



ペットコミュニティーの構築

しかし、現在ある 「三井のすまいLOOP」 とは別に、ペット専用コミュニティーを構築していくことが必要となる。


ペットと暮らすことの素晴らしさや楽しさの他に、ライフサイクルを意識した情報やサービスの提供により、健康で快適で便利なペットメディアを立ち上げる感覚で構築していく。

一般向けペット情報を主に、会員専用情報を交えて、幅広いペット愛好者のコミュニティーを確立することを目的とする。

広報も兼ねて行う戦略的ペットコミュニティーは、三井グループのブランドイメージ向上にも貢献するだろう。



ペットと暮らす12の情報

ペットと暮らす12の情報を健康・ライフ・通販・マイペットの4つのカテゴリーに分類すると次のようになる。まだ増やすことも可能だ。


  1. 健康:ペットと健康(ぺットと飼い主の健康で快適な暮らし情報)
  2. 健康:ペットと掃除(ペットと暮らす掃除や臭いの問題対策情報)
  3. 健康:動物病院(ペット医療の最新情報や動物病院の紹介)
  4. 健康:ペット介護(高齢になったペットのケア情報や介護情報)
  5. ライフ:ペットのしつけ(しつけに関する情報発信)
  6. ライフ:ペットホテル(ペットと宿泊や預かってくれるホテル情報)
  7. ライフ:ペット保険(ペットと暮らす上での安心ペット保険情報)
  8. ライフ:ペットの葬儀(ペットの葬儀や墓地に関する情報)
  9. 通販:ペットフード(ペットの食事についての情報とフードの通販)
  10. 通販:ペット用品(ペット用品最新情報や通販)
  11. MyPet:ペット自慢(ペットと暮らす素晴らしい人生)
  12. MyPet:ペットの悩み相談(悩みに応じた専門家の回答情報)


各項目については、詳細説明をしたいのだが、次に話を進めていく。



ペット12の情報と三井グループ

この、ユーザーにとって有益な12の情報には、三井グループの関連各社が参入することもできるしアウトソーイングすることもできる。詳しく説明したいが簡単に紹介する。


  1. ペットと健康は3と連動した情報と編集部の新規情報&広告タイアップ
  2. ペットと掃除は植木照夫のペットと暮らす最強マニュアル
  3. 動物病院は三井ホームドクタープランネットワーク活用&広告タイアップ
  4. ペット介護は三井ホームドクタープランネットワーク活用&広告タイアップ
  5. ペットのしつけは編集部の新規情報と関連会社と広告タイアップ
  6. ペットホテルは三井不動産ホテルマネジメント連携と編集部の新規情報やアウトソーイングによる広告タイアップ
  7. ペット保険は三井住友海上 ペット保険優遇連携と他社情報比較掲載
  8. ペットの葬儀:三友いづみ会の新規事業拡大や編集部の新規情報やアウトソーイングによる広告タイアップ
  9. ペットフードは三井物産&三井不動産商業マネジメント連携と関連会社と編集部新規情報広告タイアップ
  10. ペット用品は三井物産連携と関連会社&三井不動産商業マネジメントと編集部新規情報広告タイアップ
  11. ペット自慢は重要なマーケティング情報でもある。
  12. ペットの悩み相談は重要なマーケティング情報でもあり、改善情報。


戦略的広報活動

これらのペットと暮らしの情報コミュニティーは、戦略的広報活動と位置づける。

インターネット専用サイトを起点に、SNSの活用や、自社発行冊子の他、一般雑誌、テレビなどの複数のメディア企画としても発信可能だ。


また、大型マンションやその他の会場でイベントなどによる企画展示や講演会など、様々な形で情報発信していくことで、会員だけでなく一般ユーザーをも取り込む、今までにないペットの総合情報コミュニティーを構築していくことを、最終目標としている。



企画・戦略から実行計画へ

ここまでを、戦略マップと位置付けた場合、次に、パッケージ化に伴う費用や、市場導入時のメリット及び利益についても協議し、実行計画の立案に進んでいく。


なお、今回はマンションの新築物件を対象に、話を進めてきたが、戸建てやリフォームにおいても基本構想は同じと言える。


もっと詳細に色々お話ししたいが、長くなるのでそれはまたの機会にしたい。




様々な企業に応用可能

今回の戦略マップは、様々な企業に応用が可能だ。

類似企業グループでいうと、住友グループや三菱グループなどは、企業内で同じことができると言える。


また、必要なセクションをアウトソーイングや提携を行えば、様々な企業が参入できるとも言える。


今回のパッケージは、現行の建材や家電や設備で組み立てることを前提に、戦略マップを描いた。


しかし、私自身、健康住宅掃除がラクな家の実験棟を立てて思うのは、この商品はもっと改善すればいいのに・・・や、こんな新しい商品が欲しいなど、新商品のアイデアがたくさん出てきた。

もう一歩踏み込むなら、掃除がラクになる新商品の開発が必要だと感じている。

新商品開発を行う場合、今までの固定概念を払拭するような、新しい開発概念と仕組みが必要と感じている。

それは、もしもコラボ企画を含め、次章で紹介する。




第4章 その4では、「新商品開発と掃除学 (掃除がラクな新商品の開発) 」について解説したいと思う。



著者:植木照夫(クリーンプロデューサーベスト株式会社 代表取締役、掃除学研究所所長)





植木照夫の掃除学研究所

掃除学研究所は、植木照夫により発案された、掃除理論の集約的公式「掃除の方程式(うえきの方程式)」と「掃除がラクになる法則(うえきの法則)」を基に、幅広く関連知識をまとめた新しい学問の研究サイトです。