ペット(猫・犬)と暮らしていると、嘔吐物の掃除も日常的な作業の一つといえます。
その内容は、食べたフードであったり胃液や毛玉(グルーミングにより体内にたまる)など様々で、腸内を正常に保つための行動の一つでもあるのです。
猫の場合ストレスなのか嫌がらせなのか、食事の催促をする時に長い時間大声で泣いていたりすると、胃液を吐いた跡がよくありました(経験談)。
その他、フードをあわてて食べている時など、食後すぐに吐いたりもしました。
しないようにしつけはしているものの、体調管理や習性的なこともあるので完全にコントロールすることは難しいものです。
事実、猫・犬用の食用草が商品として発売されており、自ら草などを食べて嘔吐し、食べた草と一緒に毛玉や異物を体外に排出することもあります。
もちろん体調が悪い時に行うこともあるので、心配な時は獣医さんに診てもらうことをお勧めします。
では、掃除の方程式で吐きじみ(嘔吐物)の掃除を考えてみます。
*掃除の方程式(簡略図)
どんな汚れ? どこに?
どんな汚れ? 嘔吐物(おうとぶつ)
嘔吐物などの汚れの性質は液体と固体の混合物であり、1回の嘔吐量的にも「かさ高の汚れ」と言えます。
内容物は、食べたフードであったり胃液や毛玉(グルーミングにより体内にたまる)・異物など様々。
また、時間の経過と共に水分が乾燥して固形化する。
どこに?
嘔吐物が付着している場所と素材を確認します。
耐水性が有・無、凹凸の有無などにより、汚れ方や作業方法が変わります。
素材に耐水性が有る場合、かさ高部の嘔吐物を処理した後、水拭きまたは洗剤洗浄後の水拭き。
素材に耐水性が無い場合、嘔吐物の液体は素材に染みこんでしまいます。かさ高部の嘔吐物処理の後、シミ抜き作業を行います。
素材に凹凸がある場合、ブラシを使用する事もあります。
このように、同じ汚れであっても素材の違いで掃除作業は変化します。
なにを使って?
基本用具
嘔吐物処理の場合、すくい取るための使い古したプラスチック製のカードやヘラ(100均にもあり)、されてすぐの軟らかい状態なら名刺でもよい。
2つ(枚)あると、挟み込むように取れるので便利。
嘔吐物を包んで処理するティッシュやキッチンペーパー、においを気にするならそれらを入れるビニール袋(チャック付きのジップロックみたいなものだとより効果的)
*毛足の長いカーペットの場合、平べったい髪をとかす櫛やコームなどが必要になる場合も。汚れが付着していないところでテストしてみて、素材の毛の太さにより合うものを選ぶとよいでしょう。
*畳の場合、ブラシ類(使い古した歯ブラシも可)などが必要になる場合も。
*フローリングの場合、メラミンスポンジやマイクロファイバータオルはあると便利です。
シミの場合、ウエス(白いタオルや雑巾)2枚、食器用中性洗剤を薄めたスプレーボトル、水を入れたスプレーボトル、靴ブラシなど。
詳しくは、「カーペットのシミ抜き」 にて
予防が大切!
嘔吐物などの汚れの性質は液体と固体の混合物であることが多く、嘔吐された場所の素材に耐水性が無いと除去は困難なものとなります。
このことからも嘔吐対策として、嘔吐される確率の高い床やソファーやペットベット等の素材は、耐水性があり表面形状は凹凸のないものを使用またはシートをかけておくなどの予防が大切です。
どのように?(作業方法)
嘔吐物の処理方法
素材の耐水性の有無問わず掃除のポイントは、「かさ高部の嘔吐物」処理です。
その後、耐水性がない素材の場合、シミ抜き作業が加わります。
嘔吐物は、軟らかい? 硬い?
嘔吐物が水分を含んでいる場合と乾燥固着している場合とで作業は異なります。
上手に除去する事でその後の処理が楽になります。
嘔吐物の処理は時間がたつほど除去が困難になるので、見つけたら素早く処理しましょう。
*乾燥固着している場合「ペットと暮らす臭いのお手入れ法・作業方法」の「ウンチや嘔吐物が乾燥して固まってしまった時の掃除方法」を参照してください。
吐き染み
吐き染みは、かさ高となる嘔吐物と、シミ、の2つにわけることができます。
嘔吐物の除去後に、シミ取り作業します。
嘔吐物除去作業
①汚れを広げないようにカードや名刺など(薄く、しなりがあるもの)で固形物を先に除去する。
嘔吐物のかさ高部をすくい取る
すくい取った嘔吐物は、ティッシュなどに包んで処理する。
*毛足の長いカーペットなどの場合、嘔吐物は絡みついて除去が大変です。
平べったい櫛(くし)やコームなどで毛をとかすように使用し、毛に絡みついた嘔吐物をすくい取るように除去すると良いでしょう。
*畳の場合「い草」の間に入り込む時もあり、その際は畳の目に沿ってブラシ類(ツインブラシや使い古した歯ブラシも可)でかき出すように除去すると良いでしょう。
②耐水性のある素材は洗剤洗浄+臭いが気になるときは分解型消臭剤を使用。
画像のような耐水性の無い布製のいすなどの場合、液体汚れがしみ込んでいますので、応急処置としてカーペットのシミ抜き方法を活用します。
シミ抜き作業
シミを確認する
洗剤(食器用中性洗剤を薄めたもの)をシミの外から内側に向かって塗布する
ウエス(雑巾など)をシミの上に乗せ、靴ブラシなどを押し当て動かす
ポイントは、シミをウエスに写し取る感じ。
これを繰り返し、シミが薄くなってきたら・・・
洗剤を残さないために水を塗布して・・・
ウエスに移し取りながら「すすぎ作業」します
ウエスにシミがついていないことを確認して・・・
最後に、消臭剤や除菌スプレーなどを活用して仕上げます
*シミ抜き作業の詳細は、「カーペットのシミ抜き」を参照してください。
*畳の場合「畳のシミ抜き」を参照してください。
*カーペットなど、素材が天然素材(ウールやシルクなど)の場合、傷んだり縮んだり変色する場合もあるので、可能であればカーペットの素材を確認しましょう。
洗剤の使用はお勧めできず、お湯を使用したシミ抜き程度がよいでしょう。
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